みらおが無事に生還し、次の目的地にむけて進む一行
道はだんだん、じめじめとした沼地になっていった。
足もとがぬかるんで、歩きにくい。
みらおうわ〜、くつが……ぬまにはまりそう
なんでみらいちゃん普通に歩いてんの?



私をだれだとおもって
魔法使い・みらい🌟よ



ずるい!
ぼくにも魔法かけて!



今日のみらいの作戦・MP大事にッ🌟



りょ〜か〜い💕



ここは『葬儀社の沼』だよ〜
悲しみにくれている人の弱った心につけこむ
悪い商売の魔物がすんでいるんだって〜
気をつけていこ〜☀️
沼のおくへ進むと、ひとりの若者が、青い顔をして立ちつくしている
その前には、ぬめぬめと光る、あやしい魔物がいた……



あ、あれは……マシマシボッタ!
あの手この手で、お金をどんどん取ろうとする魔物だ
「おきのどくやねぇ……だいじな人のお見送りだ
いっちゃん高い、りっぱなプランにしましょか〜
ええと、あれもこれも、ぜんぶ必要でんねん
オプションマシマシのボッタク……アカンッ!口すべらすとこやった!
……ほなしめて、これで!まいどッ」


マシマシボッタが、ずらりと数字のならんだ紙をつきつける
若者は、なみだ目で、こくこくとうなずきそうになっていた。
若者
「そ、そうですよね……こんなときにお金のことなんて、言ってられないし……」
「まって!」
みらおが、とっさに走りよった
……が、お人好しのみらおは、その紙を見て、いっしょにうろたえてしまった!
「た、たしかに、大事なお見送りだし……これくらい、はらってあげたほうが……?」


ぴしゃりと、みらいの声がとぶ
「バカッ!みらおッ!」
「ひーーーーッ!」
「ひーーーーッ!」
みらいの声にビビるみらおとマシマシボッタ……
「あなたまで、のせられてどうするのよ!
……こういうときこそ、おちついて!」
見かねたみー坊が
「そうだよ、みらお〜
悲しいときほど、人は『言われるがまま』になっちゃう
でも、そこがつけめなんだ……」
みー坊は強い表情でマシマシボッタがつきつけた紙を、びしっと指さした
「葬儀にはね、『見積もり』——
先に、何に、いくらかかるかを
こまかく書いてもらうことが、すッごく大事なんだ〜
『一式』とか『おまかせ』じゃなくて、
ひとつひとつの中身をたしかめるんだよッ☀️」
みららは優しくさとす
「それにね〜💕
ほんとうに必要なものだけを、えらんでいいの
すすめられるまま、ぜんぶつける必要なんて、ないんだよ〜💕」
若者
「見積もり……ひとつずつ、たしかめて、いい……?」
みー坊
「もちろん☀️
それに、ひとつの葬儀社だけじゃなくて
いくつか見くらべてもいいんだッ
あわてて、その場で決めなくていいんだよ〜☀️」
その言葉を聞いて、マシマシボッタが、いやそうに身をよじる。



アホンダラッ
……よけいなこと、しよってからにッ!
悲しゅうて、あわてとる人間ほど
いい客おらんやろが……!
みらおはキュッとこぶしを握りしめ
「……そうか」
さっきまでのうろたえた顔から、まっすぐな目になっていた。
「悲しいときに、ちゃんと考えるのはむずかしい。
でも……だからこそ、知っておくんだ
『見積もりをもらう』『くらべる』『あわてない』
それだけで、こんなやつに、だまされずにすむ!」
みらいが、にっこりして若者にそっと寄りそった
「ひとりで決めなくていいんだよ。信じられる人と、いっしょに、ね」
若者の目に、力がもどってきた。マシマシボッタのつきつけた紙を、しっかりと押しかえす。


若者
「……もう一度、ちゃんと、見積もりを見せてください。ひとつずつ、たしかめます」
マシマシボッタ
「ちっ……なんやしらけた客め……」
とはいえ、まだ沼のぬしとの決着はついていない
マシマシボッタは沼の奥へ、ぬるりとにげこんでいった……



にげられた〜。
でも、あいつはまだ、この沼のどこかにいるはずだよ〜
悲しむ人を、いつもねらってるんだ



……追おう!
もうだれも、だまされないように(キラン⭐️)



あなた、ス・テ・キ❤️



おてあげ〜
一行は、ぬかるむ沼に足をふみいれ、マシマシボッタのあとを追った。
——悲しみにつけこむ、沼の罠。それをやぶる鍵は『知っておくこと』だった。
次回:第15話「沼から抜け出す方法」
8/13(木) PM8:00 公開予定!
沼のぬし・マシマシボッタとの対決
そして、悲しむ前にできる「そなえ」とは——葬儀の、もうひとつの知恵。



かみんぐす〜ん、にゃ〜 🐾
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前回:第 1 3 話 「 みらお、死す!? 」


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