みら活ストーリー 第 15 話 「沼から抜け出す方法」

みうらが指を指す

マシマシボッタを追って、みらおたちは沼のさらに奥へと進んだ。

みらお

マシマシボッタのやつ、どこにいったんだ〜
デカいわりに逃げ足だけは早いやつだ……

みうら

クンクンッ……!
みゃみゃみゃ……こっちみゃ🐾
おかしな、においがするみゃ〜🐾

みうらのカンをたよりに、しげみをかきわけると——そこには、おどろきの光景が広がっていた……

沼のまんなかに、紙、紙、紙……
びっしりと契約書やら請求書やらが、まるで落ち葉のように、ぬまの水面にうかんでいたのだ。

みらい

なに、これ……ぜんぶ
だれかがサインさせられた紙……?

みー坊

そう。
ここはマシマシボッタの巣だ……
あわてて、言われるがまま
サインしてしまった人たちの……
後悔のあとなんだよ……

……なにか聞こえてくる

……プション……シマシ…ボッタクリ〜♪

マシマシボッタ

出たッ!
マシマシボッタさまの通った後には
ビタ一文残らんのやで〜!
魔王もだまる、天下無双極悪天才商売人の
マシマシボッタ様とはワイのことや〜
な ん ち ゃ っ て♪
どひゃ~♪

…………

マシマシボッタ

……!
っておったんかーいッ💦
おるんやったら
おるって言わんかいアホンダラーッ ボケーッ!
一人でしゃべり続けるとこやったやないかッ!
びっくりしたわ〜

…………(一同)

……なんか言わんか〜い!

みらお

お前はもう、◯んでいるッ!

マシマシボッタ

アベシッ!

………(一同)

マシマシボッタ

……
どぁーほーッ!なに言わせとんねんッ!

みらら

みらいちゃん寒気がする〜

みらい

ダメよ、みらら、しーしなさい

しばし静寂がながれた

マシマシボッタ
「ほんま、よう来よったなぁ、ここまで……。
じゃまばっかりしよる、おせっかいな旅人さんらやでぇ!」

マシマシボッタは、さっきより、大きくふくらんでいた。
人の後悔を吸って、太っているのだ!

マシマシボッタ
「悲しんどる人間はやなぁ、考えられんへんのや
せやから、ワイが、ぜーんぶ決めたんねん
高い、高い、りっぱな、 お み お く り やっ!」

マシマシボッタが、ばさばさと契約書の紙ふぶきをまきちらした!
紙が顔にはりつき、みんなの視界をうばう!

みらお
「わっ、なにも見えない……!」

みー坊
「みんな、まどわされないで!
こういう時こそ、思い出して。
あわてて決めない——それが、いちばんの武器なんだ☀️」

みらおは、はりついた紙をはがして、ぐっと前を見た。
「……そうだ。おれたちはもう知ってる、あわてなくていいんだッ」

みらおが、一歩、また一歩と、紙ふぶきの中を進む。マシマシボッタが、ぎょっと後ずさった。

マシマシボッタ

な、なんで、まどわされへんのや……!?

みらお

教えてもらったからだよ。
葬儀には、なにに、いくらかかるか——
『葬儀そのものの費用』
『料理や返礼品の費用』
『お寺などへのお礼』
ちゃんと分けて考えれば、こわくない!

みー坊

それにね、いちばんの方法があるんだ〜
それは『事前相談』——元気なうちに
葬儀のことを、前もって相談しておくことなんだよ〜ッ☀️

みらら

みらら的にはね〜💕
事前相談って『縁起が悪い』って
思われがちだけどほんとは逆なの💕
おだやかな気持ちのうちに決めておくから
いざという時、大切な人のことだけ
ちゃんと考えられるんだよ〜💕

マシマシボッタ
「や、やめんかい……その話は、すな〜……!」

みー坊は手をゆるめない
「あわてる前に、くらべて、考えて、決めておく
家族と話しておく、そうすれば……
きみの出番はなくなるんだーッ☀️」

マシマシボッタの体が、みるみる、しぼんでいく
人々が「知って」しまえば、後悔を吸えなくなるのだ

マシマシボッタ

ああ、ワイのごちそうがぁ……

「あなたには、もう、だれもだまさせない……
 お仕置きよ!ゲキオコーーーーッ🌟」

みらいの杖からまばゆい光がはじけ、しぼんだマシマシボッタを吹き飛ばす!

マシマシボッタ

おぼえとけよアホンダラ〜……

と、マシマシボッタはなさけない声をのこして
沼の底へ、とけるように消えていった

すると——沼にうかんでいた無数の紙が、ふわりと空にまいあがり、光の粒になって消えていく

ぬかるんでいた大地が、すこしずつ、かたく、あるきやすい道にかわっていった。

みらお
「沼が……晴れていく」

みー坊
「みんなの後悔が、ほどけたんだね……
知ることは、自分を守ること。
それが、この沼をぬける方法だったんだ☀️」

帰り道、あの若者が、ふかぶかと頭をさげた
「ありがとうございました。
ぼく、家に帰ったら、家族と話してみます。
元気なうちに、ちゃんと……その方が、きっと、後悔しないから」

みらいはニッコリと返す
「うん。それがきっと、いちばんの親孝行だよ」

沼をぬけると、ひさしぶりの青空が広がっていた、しめった服を風がかわかしていく

みらお

今回はみうらのカンが大活躍だったね!

みうら

みゃ〜いッ🐾
活躍できてうれしいみゃ〜🐾

みー坊

この先には、きれいな泉があるって聞いたんだ〜
……きっと、また新しい出会いがありそうだね〜☀️

——あわてず、くらべて、前もって。それだけで、悲しみの沼はこわくない。


みらら

へんしゅーちょう今日は、ちょっとやりすぎたんじゃな〜い💕

みらい

ダメよ、みらら
そーゆーのを、ヤボって言うの
ヤボったいこと言うもんじゃないわ🌟

次回:第16話「静かな泉のほとりで」
8/17(月) PM8:00 公開予定!

沼をぬけた先にあらわれた、うつくしい泉。
そこに集う人々には、それぞれの「見送りのかたち」があった——。

みーちゃん

かみんぐす〜ん、にゃ〜 🐾

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