光の町をあとにして、つぎの地へむかう、朝の街道。のどかな道中——
とつぜん、みらおが、ビクッと立ち止まった…
みらお…………はっ!!



ど、どうしたの、みらお!?
まさか漏らした……



みらお、おもらし〜💕



ちがうッ
きょ、今日って……
今日って、何の日だっけ!?



ええと、暦でいうと〜 ……あっ



てへッ!今日は王様の
十年に一度の生誕祭だった〜ッ!
みらおは、頭をかかえて、その場にしゃがみこんだ。





やっちゃった……。
旅に出る前、王様と約束したんだ。
『旅の途中でも、生誕祭にはかならず行きますからッ!』
って……
どうしよう、ミラドまで、歩いたら何日かかるんだ……



3か月くら〜いッ💕



終わったわ、ぜったいにムリ……
みらいは放心した
一行に、ずーんと重い空気がながれる。
……そのとき。
みうら
(……みゃ? あそこ、なんかあるみゃ 🐾)
みうらが、道ばたの草むらを指さした。
よく見ると、つたにうもれた、小さな祠(ほこら)がある。
みうらは、すたすたと祠のうらへまわり
かりかりと、なにかをほりだした。



たからばこ、みーっけ、みゃ〜🐾
ふるびた宝箱の中に入っていたのは——
一本の、古い巻物





こ、これは……!
古(いにしえ)より伝わる伝説の魔法『ミーラの巻物』だ!
となえた者たちを、一度おとずれたことのある町へ
一瞬ではこぶ魔法の巻物だよッ!(ドキドキ)



い、一瞬で!? それだ!
それしかない!やってみよう!
みらいちゃん、君しかいない



わたしが読めばいいのね……
覚悟はいい?……いくわよッ!
——ミーラ!



あーッそれ、〇〇クエの、ルー……💕
ギュインッギュイ〜ン——ッ!
ふしぎな音とともに、視界がぐるんと回って——
気がつくと一行は
なつかしいミラド王国の門の前に立っていた
(懐かしいBGMも脳内再生されている)



へッ!!
つ、着いた!
ミラドだーッ! まにあった〜!



……ーラのパクりだ〜ッ💕
編集長パクり疑……ング……
みらいがみららの口を塞ぐ



みらら、シーしなさい
それ以上言っちゃダメ
なんでも正直がいいってわけじゃないのよ🌟
(再び懐かしい、あのBGMが脳内再生されたころで……)
街は、お祭りのかざりつけで、はなやいでいた。
人々の顔にも、旅立ちのころよりは、明るさがもどっている。
魔王の影におびえるだけの街では、もうなかった。
城の広場には、大きな舞台がくまれていた。
生誕祭——けれどそれは、ただの誕生日の祝いでは、なかった。
王さまが、舞台の上から、民に向かって、ふかぶかと頭をさげたのだ。





民よ。これからは十年に一度
わしはこの日を
『未来を祝う生前葬』とする。
わしが生きているうちに、そなたたちに
ありがとうを言うための日じゃ。
この十年、ともに歩んでくれて、ありがとう。わしの亡きあとも、この国をたのむと、生きた声でたくすための日じゃ



せ、生前葬……。
自分のお葬式を、生きてるうちに……?
……王様、ついにご乱心ッ?



違うよ、みらお〜☀️
生前葬はね、生きているあいだに、お世話になった人たちへ
自分の口で『ありがとう』を伝えるお別れ会なんだ〜。
ふつうのお葬式では、本人は、もうお礼を言えない。
でも生前葬なら——感謝も、思い出話も、笑い声も、ぜんぶ本人といっしょに分かちあえるんだッ☀️



すてきだね……。
お葬式が、こんなにあたたかいなんて
民たちが、つぎつぎと舞台に花をおき、
王に「ありがとう」を返していく。
涙あり、笑いありの、ふしぎな、あたたかい式だった。
式のあと、王はみらおたちを、城へまねいた
王
「よくぞ、約束を守ってくれた、勇者みらおよ。
……旅の話は、聞いておる。
四本の針を集め、多くの民を救ったともな
そなたは、強くなった。もう、これをあずけられる」
王が合図すると、家臣が、うやうやしく、ひとふりの盾をはこんできた。
ふるい、けれど、まばゆい青い盾——
王
「ミラド王家に千年つたわる、伝説の盾——
『勇者の盾』じゃ。
かつては、そなたにはまだ、あつかえなんだ。
……いまの、そなたなら」
みらおが、そっと盾をかまえると——盾は、こたえるように、ほのかに光った
みらお
「……あったかい。
……王様、おれ、この盾でみんなを守ります!」
王
「うむ。……じゃがな、勇者よ。ひとつだけ、言うておかねばならん」
王の目が、ふっと、けわしくなった。窓のそとの、にぎわう街を見つめながら。
王
「街に活気がもどったのは、みなが魔王の影に『慣れて』しもうたからじゃ。
……じゃが、それは長くはつづかん。魔王の力は、日に日に増しておる。
やがてこの明るさは食いつくされ、世界は、絶望に満ちてゆくだろう。
——急いでくれ。のこりの針を集め、あやつを討ってくれ」
みらおは、盾を、つよく、にぎりしめた。
みらお
「……はい。かならず」
——生きているうちに、ありがとうを。
生前葬は、未来へ命をたくす、あたたかい儀式だった。
次回:第34話「ミラドの武道大会」
10/22(木) PM8:00 公開予定!
生誕祭はまだまだ終わらないッ!呼び物の武道大会に、まさかのあの武道家が参戦!
そして会場には、聞きおぼえのある歌が——
「オプションマシマシ♪ ボッタクリ〜…♪」
*次回より、1週間ごとの公開となります
どうぞよろしくお願いします。
みら活編集部より
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前回:第32話「AIと語る故人」


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