みら活ストーリー 第 33 話 「未来を祝う生前葬」

王様から盾の授与

光の町をあとにして、つぎの地へむかう、朝の街道。のどかな道中——
とつぜん、みらおが、ビクッと立ち止まった…

みらお

…………はっ!!

みらい

ど、どうしたの、みらお!?
まさか漏らした……

みらら

みらお、おもらし〜💕

みらお

ちがうッ
きょ、今日って……
今日って、何の日だっけ!?

みー坊

ええと、暦でいうと〜 ……あっ

みらお

てへッ!今日は王様の
十年に一度の生誕祭だった〜ッ!

みらおは、頭をかかえて、その場にしゃがみこんだ。

「あーッ!」と、みらお
みらお

やっちゃった……。
旅に出る前、王様と約束したんだ。
『旅の途中でも、生誕祭にはかならず行きますからッ!』
って……
どうしよう、ミラドまで、歩いたら何日かかるんだ……

みらら

3か月くら〜いッ💕

みらい

終わったわ、ぜったいにムリ……

みらいは放心した
一行に、ずーんと重い空気がながれる。

……そのとき。

みうら
 (……みゃ? あそこ、なんかあるみゃ 🐾)

みうらが、道ばたの草むらを指さした。
よく見ると、つたにうもれた、小さな祠(ほこら)がある。
みうらは、すたすたと祠のうらへまわり
かりかりと、なにかをほりだした。

みうら

たからばこ、みーっけ、みゃ〜🐾

ふるびた宝箱の中に入っていたのは——
 一本の、古い巻物

巻物を持つ、みうら
みー坊

こ、これは……!
古(いにしえ)より伝わる伝説の魔法『ミーラの巻物』だ! 
となえた者たちを、一度おとずれたことのある町へ
一瞬ではこぶ魔法の巻物だよッ!(ドキドキ)

みらお

い、一瞬で!? それだ!
それしかない!やってみよう!
みらいちゃん、君しかいない

みらい

わたしが読めばいいのね……
覚悟はいい?……いくわよッ!
——ミーラ!

みらら

あーッそれ、〇〇クエの、ルー……💕

ギュインッギュイ〜ン——ッ!

ふしぎな音とともに、視界がぐるんと回って——

気がつくと一行は
なつかしいミラド王国の門の前に立っていた
(懐かしいBGMも脳内再生されている)

みらお

へッ!!
つ、着いた!
ミラドだーッ! まにあった〜!

みらら

……ーラのパクりだ〜ッ💕
編集長パクり疑……ング……

みらいがみららの口を塞ぐ

みらい

みらら、シーしなさい
それ以上言っちゃダメ
なんでも正直がいいってわけじゃないのよ🌟

(再び懐かしい、あのBGMが脳内再生されたころで……)

街は、お祭りのかざりつけで、はなやいでいた。
人々の顔にも、旅立ちのころよりは、明るさがもどっている。

魔王の影におびえるだけの街では、もうなかった。

城の広場には、大きな舞台がくまれていた。
生誕祭——けれどそれは、ただの誕生日の祝いでは、なかった。

王さまが、舞台の上から、民に向かって、ふかぶかと頭をさげたのだ。

群衆に、深々と頭を下げる、王様
おうさま

民よ。これからは十年に一度
わしはこの日を
『未来を祝う生前葬』とする。
わしが生きているうちに、そなたたちに
ありがとうを言うための日じゃ。
この十年、ともに歩んでくれて、ありがとう。わしの亡きあとも、この国をたのむと、生きた声でたくすための日じゃ

みらお

せ、生前葬……。
自分のお葬式を、生きてるうちに……?
……王様、ついにご乱心ッ?

みー坊

違うよ、みらお〜☀️
生前葬はね、生きているあいだに、お世話になった人たちへ
自分の口で『ありがとう』を伝えるお別れ会なんだ〜。
ふつうのお葬式では、本人は、もうお礼を言えない。
でも生前葬なら——感謝も、思い出話も、笑い声も、ぜんぶ本人といっしょに分かちあえるんだッ☀️

みらい

すてきだね……。
お葬式が、こんなにあたたかいなんて

民たちが、つぎつぎと舞台に花をおき、
王に「ありがとう」を返していく。
涙あり、笑いありの、ふしぎな、あたたかい式だった。

式のあと、王はみらおたちを、城へまねいた

王
「よくぞ、約束を守ってくれた、勇者みらおよ。
……旅の話は、聞いておる。
四本の針を集め、多くの民を救ったともな
そなたは、強くなった。もう、これをあずけられる」

王が合図すると、家臣が、うやうやしく、ひとふりの盾をはこんできた。
ふるい、けれど、まばゆい青い盾——

王
「ミラド王家に千年つたわる、伝説の盾——
 『勇者の盾』じゃ。
かつては、そなたにはまだ、あつかえなんだ。
……いまの、そなたなら」

みらおが、そっと盾をかまえると——盾は、こたえるように、ほのかに光った

みらお
「……あったかい。
 ……王様、おれ、この盾でみんなを守ります!」

王
「うむ。……じゃがな、勇者よ。ひとつだけ、言うておかねばならん」

王の目が、ふっと、けわしくなった。窓のそとの、にぎわう街を見つめながら。

王
「街に活気がもどったのは、みなが魔王の影に『慣れて』しもうたからじゃ。
……じゃが、それは長くはつづかん。魔王の力は、日に日に増しておる。
やがてこの明るさは食いつくされ、世界は、絶望に満ちてゆくだろう。
——急いでくれ。のこりの針を集め、あやつを討ってくれ」

みらおは、盾を、つよく、にぎりしめた。

みらお
「……はい。かならず」

——生きているうちに、ありがとうを。
生前葬は、未来へ命をたくす、あたたかい儀式だった。


次回:第34話「ミラドの武道大会」
10/22(木) PM8:00 公開予定!

生誕祭はまだまだ終わらないッ!呼び物の武道大会に、まさかのあの武道家が参戦!
そして会場には、聞きおぼえのある歌が——
 「オプションマシマシ♪ ボッタクリ〜…♪」

*次回より、1週間ごとの公開となります
どうぞよろしくお願いします。
みら活編集部より

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