塔の中は、ひんやりとした石の階段が、ぐるぐると上へ続いていた
壁には古い文字がびっしりと刻まれている
けれど、ところどころ霧のようにぼやけて、読めなくなっていた。
みらおうう……なんだか、空気が重いね



この塔はね〜『遺言』
をテーマにした試練の塔なんだッ
のぼっていくと、遺言の知恵がわかるようになってるんだよ〜☀️
みらお達が階段をのぼっていくと、ふわふわと宙にただよう、もやもやした魔物が立ちふさがった。
輪郭がにじんで、はっきり見えない



出たなーッ!
こいつはアイマイモコン…
『どっちでもいい』
『なんとなく』って
なんでも曖昧にしちゃう魔物なんだッ



曖昧に〜?みらい、こわいッ🌟



ぶりっ子発動〜💕



…そうだよ、遺言もね、曖昧に書くとのこされた
人が困っちゃうんだッ
『たぶんこうだろう』
じゃケンカのもとになっちゃうもんッ☀️
そのとき、アイマイモコンが不意に、みらおめがけてもやもやの霧をぶわっと吹きつけてきた!


みらおの頭の中が、ぼんやりとかすんでいく…
「あれ……おれ、なにしに来たんだっけ……
まあどっちでもいいや〜……」
「みらおッ、しっかりして!」心配そうなみらい
みー坊は強い口調で言った
「みらおーッ、はっきり決めるんだ〜ッ!
曖昧をやっつけるには
『ちゃんと言葉にすること』
がいちばんなんだよーッ☀️」
我に返ったみらおは、ぶんぶんと頭をふって、霧をはらった
「……そうだ。おれは
この村のみんなを助けに来たんだッ!」
みらおのはっきりとした言葉が、一筋の光となりアイマイモコンを照らす
もやもやの魔物は
「ぐはぁ、モヤモヤがうすれていく〜…
アトデ…イ…様ぁ〜…」
と声をあげて、すうっと消えていった
「やった〜🌟」とみらいが喜ぶ
飛び跳ねてはしゃぐみうら
「みらお、かっこよかったみゃ〜🐾」
みー坊が言った
「これが遺言の基本なんだッ☀️
『はっきり、ちゃんと残す』これだけで
のこされた人がうんと楽になるんだよ〜☀️」
そのとき、みらら がぴこんと反応した



遺言って、書き方にも種類があるんだよね〜💕



そうなんだッ!
大きく分けて三つ
自分で手書きする
…『自筆証書遺言』
お役所みたいなところで作る
…『公正証書遺言』
内容をひみつにできる
…『秘密証書遺言』
どれも、ちゃんとルールを守らないと
無効になっちゃうんだ〜ッ☀️



へ〜そーなんだー!
ただ書けばいいわけじゃないのね



そうなの〜💕
あと、せっかく書いても、なくしちゃったり
見つけてもらえなかったら意味がないでしょ?
だから『どこに保管するか』もすっごく大事なんだよ〜💕



自筆の遺言は、見つけたあとに家庭裁判所で『検認』っていう手続きがいることもあるんだッ。
むずかしく聞こえるけど
ようは『これは本物ですよ』って確認することなんだよ〜☀️
みらおは、うんうんとうなずきながら聞いている
さっきまで「縁起が悪い」と思っていた遺言が、だんだん「やさしい知恵」に見えてきた。
やがて階段をのぼりきると、いちばん上の部屋に出た。
そこには、台座の上に——半分に割れた、古い石板が置かれている。


みらおがそっと手に取り
「これは……?」
石板には、見たこともない文字がびっしりと刻まれている
けれど、何度見ても、まったく読めない。
みー坊はしばらく考え、真剣な表情で
「うーん……僕でも読めないッ
こんなの、はじめてだもん」
みららも興味津々に見ていたが
「みららもぜんぜんわかんない、ムリ〜💕
でも、なんだか
すっごく大事なものな気がする💕」
そのとき、塔の壁の文字が、ほんの一瞬だけ光った
みー坊が、はっと気づく。



…あっ、壁にね、こう書いてある
千年前の話だッ☀️
『五人の賢者、魔王を封じ、知恵を五つに分かちて世界へ散らせり』——



五人の賢者……?
なぜだろう
みらいは、その言葉を聞いたとき、胸の奥がきゅっとなった
まるで、ずっと昔に聞いたことがあるような、ふしぎな感覚



この石板は、その賢者たちが残したものかもしれないねッ……
今は読めないけど、いつかきっと意味がわかる日が来るもんッ!
だから、大事に持っておこう〜ッ☀️
みらおは、割れた石板をそっとカバンにしまった。
半分しかない、読めない石板
けれどそれは、千年の時をこえた、大きな物語のはじまりの欠片だった…
次回:第6話「整えることが、すべての始まり」
塔の主との対決。そして、羅針盤に最初の針がはまるとき——。


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前回:第 4 話 「遺言の塔へ」


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