旅を続けて数日
みらお達は小さな村にたどり着いた。
ところが、村の様子がどこかおかしい
人々は元気がなく、みんなうつむいて歩いている
そして村の奥には
——天高くそびえる、灰色の塔が立っていた…
みらおうわ……なんか、不気味な塔だね



あれはね〜、遺言の塔っていうんだッ☀️



ゆいごんの、塔……?
そのとき、近くにいた村のおばあさんが、ぶるりと身をふるわせた。
村人
「あの塔の話はおよし。あそこに近づくと、
縁起でもないことを考えさせられる…。
遺言なんて、死ぬ準備みたいで…はあ恐ろしい」
おばあさんはそう言って、足早に去っていった。
村人たちはみな、塔を見ないようにして暮らしているようだった。
みらおは少しこわばった表情で言った
「ゆ、遺言って……そんなに怖いものなの…?」
すると、みー坊がふわりとみらおの肩に乗ってやさしい声で言う
「ぜんぜん怖くないんだよッ。
遺言はね〜
『のこされた人が困らないように』っていう
思いやりのお手紙みたいなものなんだ〜ッ☀️」
「思いやりのお手紙……?」と不思議そうなみらい


「そうなんだッ☀️たとえば、もしもの時にね
『この家は誰に』『この宝物は誰に』
ってちゃんと書いておくと
のこされた家族がケンカしなくてすむでしょ?」
「みらら的にはね〜💕
遺言って『最後のわがまま』じゃなくて
『最後のプレゼント』だと思うな〜💕」
みらおは、ぽかんとした
怖いものだとばかり思っていた遺言が、急にあたたかいものに思えてきた
「そっか……のこされた人のための、お手紙か」
そのときだった。
塔のほうから、ずうん……と低い音が響いてきて空気がぴりっと張りつめる
みー坊が何かを感じとった様子で
「みんな、気をつけてッ
この村の人たちが元気ないのは……
たぶん、塔の中にいる魔物のしわざなんだッ」
「魔物…!?」眉をひそめるみらい
「『遺言なんて縁起が悪い』『考えるだけ無駄』
そうやって
大事なことを後回しにさせる魔物がいるんだッ。
村の人たちは、その魔物の力で
考えることをやめさせられてるんだよッ☀️」
みらおは、ごくりとつばを飲んだ
塔は見上げるほど高い、中に何が待っているのかもわからない、正直怖い…
でも——
うつむいて歩く村人たちの姿が、頭に浮かんだ
みんな、本当は大切な人のことを思っているはずなのに、それを言葉にできずにいる。
みらおは拳を握りしめ言った
「……行こう。この村のみんなを、助けたい」
みらいが、にっこり笑ってうなずいた
「うん。みらおかっこいいよ!」
みらおは照れくさそうに
「えっ、そ、そう? えへへ」
そこにみー坊が、早く行こうと言わんばかりに
「みらお〜、てれてる場合じゃないよ〜ッ!
でも……その『助けたい』って
気持ちがいちばんの武器だねーッ☀️」


一行は、灰色の塔へと足を踏み入れた。
扉の向こうには、冷たい闇が広がっている…
けれど、みらおの胸の中には
小さなともしびのような勇気が灯っていた。
——遺言の塔
旅の、最初の大きな試練が、いま始まる。
次回:第5話「割れた石板の謎」
塔の奥で、一行は文字の読めない不思議な石板を見つける。
それは、みらお達の旅にどんな意味をもっているのか?


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前回:第3話 「最初の試練」


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