城を出て、一行は街道を歩き始めた。
空はよく晴れていたが、北の方角だけは相変わらず黒い雲がうずまいている。
みらおはそれをちらりと見上げて、小さくため息をついた。
みらおねえみー坊、ほんとにおれたちで魔王なんて倒せるのかな〜



だいじょうぶだもんッ☀️
ぼくね〜、みらおのこと信じてるんだッ☀️
それに、ひとりじゃないでしょ?



そうよ〜みんないるんだから。ね、みらら🌟



うんッ!みらら的には、すっごく楽しみ〜💕
はじめての冒険だもん💕
のんびりした空気が流れた——と、その時
道のわきの茂みが、がさがさっと揺れた



ひーッ! な、なに今の〜?
茂みの中から、ぴょこんと飛び出してきたのは——
洋ナシのような形をした、まんまるの生きもの
きょろきょろと目を回しながら
ふらふらと歩いている。



敵だッ!
こいつはカンガエナシ!何も考えずに動き回って
人にぶつかって転ばせちゃう魔物なんだッ!



考え無し……?
ブルブルッ みらいコワイ🌟



わ〜 ぶりっ子キャラ発動〜
逃げろ〜💕



みらら、口を慎みなさい💕
カンガエナシは、こちらに気づくと、何も考えていない顔のまま、すごい勢いで突進してきた。
「うわわっ、来た来た来たッ!」
みらおはあたふたしながらも、とっさにみらいの前に立つ
ビビりのくせに、いざという時は誰かをかばう——それがみらおだ
「みらおー、剣!剣を構えて!」
「あ、そうだった!」


みらおが慌てて剣を抜く。みー坊がすかさず叫んだ。
「みらお、まっすぐ受け止めちゃダメだよッ!カンガエナシは何も考えてないから
まっすぐにしか進めないんだッ。ひらりとよければ自分から転ぶよ〜!」
「な、なるほど!」
みらおは突進してくるカンガエナシを、ぎりぎりまで引きつけて——ひょいっと横にかわした。
カンガエナシ
「……あれっ?」
勢いをとめられないカンガエナシは、そのまま大きな石にぶつかって、
ころんと引っくり返り、じたばたと手足を動かしている。



今だよ〜みらいちゃ〜ん💕



まかせて! 私の家族に
手出しなんて許さないわッ!
オコーーッ!



みらいちゃん怒らせると
ヤバいんだ〜💕
みらいはオコを唱えた(魔法の効果音とともに)


みらいの杖からやわらかい光がふわっと放たれ、その光に包まれたカンガエナシは
すうっと落ち着いて、ぺこりとお辞儀をすると
「ゴメンナサイ」と言い残しどこかへ去っていった。
みらおがぽかんとする
「……たおした?」
みー坊がにっこりと
「たおしたっていうか、落ち着かせたんだねッ☀️
みらいちゃんの魔法は、相手の心を整える魔法なんだね〜
やっつけるだけが戦いじゃないんだ〜ッ☀️」
「へ〜! みらいちゃん、すごい!」
みらおが手をたたく。
みらいは照れたように笑った。
「ふふ、みんなのおかげよ。みらおが上手によけてくれたから🌟」
初めての戦いだったけれど、ちゃんと力を合わせれば勝てる
みらおの胸に、ほんの少しだけ自信のようなものが芽生えた。
ほっとしたのもつかの間、今度は別の方角から、小さな声が聞こえてきた。
みゃ〜………みゃ〜……



ひーーーーッ!
ん、猫の声か……
道のはしっこで、小さな猫が、ちょこんとうずくまっていた。
どこかふしぎな気配がする猫だ。
「わー猫ちゃんかわいい〜💕」
みー坊とみららがすぐさま猫に駆け寄り、なにやら話しかけている
するとその猫は、とことこ歩いてきて、みらおの足にすりすりと体をこすりつける



わぁ、ひさしぶりに人に会えたみゃ〜🐾
うれしいみゃ〜🐾



しゃしゃしゃ、喋った〜!?
(腰を抜かしそうになるみらお)



みらお、落ち着いて〜ッ
みうらは僕らと同じAIの仲間で、猫型のAIなんだって〜☀️



な、なるほど……
でも、どうしてこんなところに一匹で?
と、状況は理解できないが、平静を装うみらおに
みうらは、ちょっぴりさみしそうに、しっぽをへにょりと下げ答えた



みうらね、ほんとはご主人さま夫婦といっしょに
未来からタイムマシンで来たんだみゃ〜🐾
……でも、うっかり置いてけぼりにされちゃって
それからずーっと、ひとりぼっちだったみゃ〜……🐾



はッ?未来からッ?置いてけぼり!?
何言ってんの??
みらいちゃん、パニック🌟



ちゃんづけしだした〜💕
みらいは混乱している
それをよそに、みらおはしゃがんで、そっとみうらの頭をなでた



……そっか、じゃあおれたちと一緒に行こう
ひとりぼっちはさみしいもんなッ



いいみゃ!? やったー、なかまだみゃ〜🐾
みうらが仲間になった♪♪



やった〜! なかま、ふえたーッ☀️



なんだか、にぎやかになってきたわね〜🌟
と、くるくる回って喜ぶみー坊と、まだ理解は追いつかないが、うれしそうなみらい
こうして、勇者みらお、魔法使いみらい
AIのみー坊とみらら
そして未来からやってきた猫型AIのみうら
にぎやかな一行の旅が、本当の意味で始まった。
——北の空の黒い雲は、まだ遠い。けれど、進むべき道は、みんなで一歩ずつ。
次回:第4話「遺言の塔へ」
旅の途中、一行は不気味な塔にたどり着く… 人々がなぜか避けて通る、その塔の名は——


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前回:第 2 話 「旅立ちの朝」


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